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売春の変遷

 投稿者:たくみメール  投稿日:2009年11月 8日(日)14時42分16秒
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   「売買春の禁止というのは、女性蔑視風潮の形を変えた残存だ」というAさんのご意見、まさにそのとおりです。とても嬉しく感じました。
 途上国と先進国の売春は、まったく意味が違います。途上国では、貧困から売春に至ります。それは戦前の我が国でもそうでした。途上国での売春婦は、家族を支える働き手でもあったのですから、同情すべき存在ではあれ、社会的悪ではありませんでした。それは2.26事件の背景に、飢饉から東北地方で女性の身売りが頻発し、社会問題化したのでも分かるように、貧しさへの蔑視と同時に貧しい者たち同士の親近感さえありました。ちなみにタイの売春婦は、国民総生産のかなりの部分を稼いでいます。

 戦後、55年体制が確立し高度成長経済に入る頃には、55年の悪書追放運動(=白いポスト)、56年に売春防止法、57年には「チャタレイ裁判」での<わいせつの定義>と、セックスを家庭へと閉じこめる動きが強くなってきます。それと同時並行的に、工業化によって核家族が増加し始め、専業主婦と性別役割分担が確立していきます。しかも、斉藤美奈子さんも言うように、多くの女性たちが嬉々として、専業主婦になっていったのです。それを後押ししたのが、上記のセックスの家庭への閉じこめで、家庭外でのセックスを悪だとする動きでした。婚前交渉が否定されていた当時、婚外でのセックスは売春婦しか相手がいません。ここで自力で稼ぎのある売春婦は、二重に社会的<悪>の烙印を押されたのです。

 絶対的貧困から解放された先進国では、売春は性の自己決定権と見られ始め、キャンベラでの女性市長による合法化をはじめ、多くの人が売春を犯罪視しなくなり始めました。バーン&ボニー・ブーロー「売春の社会史」やシャノン・ベル「売春という思想」など、成人間のセックスにお金が絡んでも、犯罪視しなくなっています。我が国でも、「売る売らないはワタシが決める」や橋爪大三郎「売春のどこが悪い」などがでています。

 去年の春頃、小谷野さんという大学教員が、この掲示板に、売春に関してトンチンカンなことを書いていましたから、ボクの言うことはまだまだ理解されないだろうと思っていました。しかし、Aさんの発言に接し、世の中見捨てたものではないと、すこし安心しました。風邪などひかぬようご自愛下さい。
 
 
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